起こせないなら乗るな?
引き起こしについて。


photo
憧れのR80を手に入れたばっかりで、まだ乗り出す前の、整備してもらっていたある日

「自分で起こせるか試してみたいんです」と、メカニックさんに頼んでみた。

シリンダーの当たる部分にクッションを敷いてもらい、丁寧に横たえられたもんじろう。倒すとガソリンが漏れるのを知り、まずはコックをオフにするのを覚えた。

空車重量(走行可能状態、満タン)210キロ。私にとっては、かつてないモンスターだ。

さあ、起こすぜ。気合い十分で挑んでみたが、なんとしても、どうしても起こせなかった。

「自分で起こせないようなバイクにゃ乗るな!」と言われると思い、叩かれる前の犬のように怯えた私に、

「こけたらヘルプ呼びな」と、メカニックさんは苦笑いで言ってくれました。

あの日、なんだかスッと肩の力が抜けて、これからもやっていけるかも、と逆に元気が出たんです。

そっか。起こせなくても、誰も私からバイクは取り上げられないんだよな。

情けないのは百も承知。かっこわるくても、それでも乗りたいんだからしょうがない。他人の力を借りて、嫌味の一つも言われても、起こせさえすればそれでイイじゃないか。

その後、私は何度も恥を忍んで人に助けてもらった。でも、思った以上に助けてくれた人たちは、優しい人が多くって。

こんな物好きに、笑顔で力を貸してくれる人たちには、ホント、感謝です。




back