MASERATI SPYDER ZAGATO





インテリアが即エクステリアとも言うべきオープンカーでは、イタリアの皮職人や木工職人の面目躍如で、彼らの手になる工芸品的で芸術的な一面が最も顕著に表われる処です。






ステアリングやシフトノブ・ハンドブレーキレバーに至るまで天然の木を使い、ドライバーを囲む様に配されたカリンの木目パネルや(一説によると楡)鞣革やヌバックの皮細工で覆われたダッシュボードを見るにつけ、イタリアお得意の伝統的家内工業の匂いまでしてきそうです。






皮細工はこれに留まらずシートやドア内貼り、ソフトトップの内装やトノカバー!にまで及び、その色合いや肌触りは木目とのコントラストに絶妙なコンビネーションとなってオーナーを狂わせます。






もしこのジャンルの車が日本で作られたとすると機械的には完璧なものを作り上げるであろう事は容易に想像できますが、無味乾燥で無国籍風、レーサーもどきで無闇に性能が突出しているか、子供じみたギミックに溢れかえるコンピュータのお化けになりそう。






とてもこんな妖艶で隠微なオトナの色気は演出できそうにありません。なんてったって残業に次ぐ残業、シャカリキに働いて、帰れば社宅でまた顔合わせなんて言う環境ではエロい?デザインなんか到底ムリですね(笑)






基本的に生活を楽しむ風土や美しいものを心から愛でる国民性、芸術や伝統を誇りに思い大切にする姿勢、トコトン食事を愉しみ美しく暮らす環境など、つまり個人が真に豊かな生活を実感出来る余裕が無くては、エロいデザインは成り立ち得ませんね。






ドイツやイタリアも先の大戦の敗戦国ですが、半世紀が経過して振り返るとき、同じ敗戦国として日本の個人の生活は本当に彼等並みに豊かになったのだろうかと疑問に思う事しきりです。






確かにモノは氾濫し、一見豊かに見える生活があります。しかし、これは大方の人が中産階級だと信じて疑わない国民性を育てた戦後教育の成果である事は紛れも無い事実です。






誰でも世界中何処にでも行けるような経済力を持ち得た昨今、多くの人が先進国といわれる国々を訪れて、彼我の違いを如何に受け止め、日本の現状を如何に評価しているのか是非知りたいものと、つい余計なお節介がしたくもなります。






僕がイタリアやフランス、また南米に代表される<ラテン的快楽生活>!を知る上で大いに刺激を受けたのは彼の地の友人達である事は間違い無いのですが、<南の島の楽園生活>?にもまた大いに影響されたものです。僕の<秘密のアジト>のご近所で懇意にして戴いている方がいらっしゃるのですが、その方もイタリア生活を深く経験され、文化的な意味合いでの日本の貧しさや生活環境に対し、大いに疑問を持たれたそうです。彼の事業の出発点もその観点にあり、イタリアの家具を通じて彼らの生活文化や人生のあり方を伝える事が原点だったそうです。まさに同感!親しくなるのにそう時間はかかりませんでした。






ここに彼の著した1冊の本があります。<アルフレックスと私とイタリアと> arflex,lo,Italia 保科 正著・集英社インターナショナルです。イタリアを知り、ラテンを知るには絶好の著かと存じますので、是非皆様に御一読をお勧めイタします。



 


というわけで、イタ車・マセラティの歴史は正にラテン的情熱に溢れた喜怒哀楽の塊のようですね。管理社会の見本のような日本では、こんな人生に憧れを持つのは引かれ者の小唄かな。せめて車はラテンで愉しむ事にイタしましょう(笑)







思い出アルバム

アナログで撮ったMASERATI。
鮮明ではありませんが、デジタルの冷たい感じではなく、
フィルムで撮ったエロい雰囲気!が伝わる事を願って…。



 

 

 

 

 



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