シトロ菌感染記録
−シトロエンノススメ−


その2.部品の寿命


新車よりワンドライバーで所有していますと、複数の所有者を経た場合に比べその車の消耗品や部品の寿命と言うものが或る程度<記録>的な意味合いを含めて正確に把握できます。交換すれば以前と同じ寿命とは必ずしも言いきれない処がシトロエンらしい?と言えなくも無いのですが、一つの目安にはなるものと思います。僕の19年目に入ったCX・10万km走行車をテストベンチにして考察してみます。





@ エンジン 


基本的には全く手を付けておらずトラブルフリーです。現代の車では当たり前の事ですが神経質にならなければタペット調整すら不要です。但し定期的なオイル管理や目視による点検は不可欠です。オイルに関してはグレードは無論の事、その車の生産時期に合ったものが一番好ましく必ずしも最新の製品が良い訳ではありません。特殊な使用目的(ラリー.レースなど)以外であれば添加剤などもその必要性と効能には疑問が残る処です。





A トランスミッション 


これも全くトラブルフリーで現在に至るも問題無しです。多少の条件はありますが丁寧な扱いをすれば十分な耐久性を持っている事が判明しました。ギアオイルの交換サイクルは指定の2万km毎の実施でこちらも添加剤等は不使用です。グレードは極当たり前の80w90で下側2箇所のドレンから全量の排出を心掛けます。性能を永く維持する為のシンクロへの気遣いは必須ですが、約20年10万km後の現在でも吸い込まれる様に変速可能です。シトロエンは元々歯車屋だったので当たり前?特許のダブルヘリカルギアは会社のマークにもなっていますものね。





B 燃料系 


噴射ポンプ(ロトディーゼル製)の耐久性も大した物でトラブルフリーです。噴射タイミングの狂いも無く、自身でアイドル回転数を若干上げた位で調整すら不必要です。もっともこれも歯車屋躍如!と言った感じで、駆動力をエンジン下のクランクから複数のギアで延々?上まで運び噴射タイミングに完璧を期すと言う念の入れ様です。チェーンやベルト駆動に比べ安心感を含めて圧倒的な耐久性ですよね。驚いた事に電気的な回路である予熱用のシステムすらノートラブル、ましてやグローヒーターなど一連のローテク?関係は言うまでもありません。日本は燃料の精製を始めとして輸送や管理も良い所為か水分の沈殿も無く、ましてやフィルターの目詰まりも起こしません。これまでに念の為と1回交換したのみでした。フランス製の耐油ホースも秀逸で特別神経質になる必要はありません。ホースバンドも合格で緩みや耐久性に問題は発生しませんでした。





C 電気系 


出ました!シトロエンの肝。しかしMT&DIESELの組み合わせは最小のリスクで済みます。話題沸騰?の発電機にしても僕の固体はフランス製<Paris Rohne>のオルタネーターが現役です。国産品が信頼性の点で上回る事は承知していますが敢えてオリジナルを損なってまで少なからぬ出費を伴う交換は避けたい処です。当時は原因がダイオードの耐熱性不足(取り付け位置の問題?)でビルトインレギュレーターを西武自動車とスタンレー電気の共同開発で別置き型に改造・交換して対応していましたがこれが又曲者でした。1年も経たずに故障頻発で5〜6回交換した経緯がありました。エレクトロパーツは<6ヵ月の保証期間>しかないとの事でしたが何度かクレーム処理には応じてくれたものの不便極まりなく、その都度出費も重なるなど腹立たしい思いで改良を迫り、ついには中目黒のスタンレー電気まで押しかけたものです。しかし当時はCXの後継車XMの登場もあり製作元の人事異動なども重って積極的な回答は得られずじまいでした。意を決して改良に挑戦したのですが今のように便利なネット情報が有る訳では無し、全くの手探り状態でしたが紆余曲折の末辿り着いたのが<DENSO製・救急車用別置き型レギュレーター>と<プジョー製別置き型レギュレーター>と言う結論でした。最終的な選択はプジョー用を購入し、オルタネーターの配線を引き直し別置き型レギュレーターにする事で解決を見、現在に至るもブラシの交換すら未実施で問題無しです。同時にオルタネーターからバッテリーへの配線とバッテリーのアースを新しくする事が有効でした。電気系の故障はこの充電系が唯一最大の難関でしたが、其の他は過去の経験からアース不良とコネクターの接触不良が主たる原因でした。対処法としてはアース接点を磨きなおし、曖昧な感触のフランス製コネクターを国産に交換です。細かい処ではウインカーリレーの焼き付きでBX用解体部品を代用し、あの独特な点滅音はしなくなりましたが点滅回数などの向上もありました。バッテリーの寿命は凡そ3年で、末期になると冬場のスターターモーターの元気が無くなるので其れと知れます。スターターモーターは15年後に不調となりエンジンの掛かりが悪く、予防措置を兼ねて交換しましたがOHでも充分対応は出来そうでした。





D 駆動系 


弱点はドライブシャフトブーツです。車庫の出し入れに際しフルロックが不可欠で伸びきったブーツが破れて何度交換した事か。これにも業を煮やし苦労の末日産の旧ブルーバードU用が代用できる事を突き止めました。プジョー資本が入った現在では部品の改良型も出て信頼性も上がり耐久性に心配は無いようです。クラッチは思いの外耐久性があり未だに未交換、ジャダーも出ず、クラッチケーブルも3度ほど調整しただけで現役です。





E 操向系 


所謂<ハンドルのアソビ>が殆ど無く、スポーツカー的にシャープなステアリング感覚が素晴らしいCXですがパワーセルフセンタリングの影響か、パワーステアリングラックギアのLHM漏れがネックです。10年を経過した頃から症状が現れ、交換を勧められていたのですが費用の点で折り合いがつかず、漏れも僅少な事からLHM補充で済ましてきました。滲み始めから略10年が経ち、いよいよ交換を決意していますがcmlで<ATの漏れ止め剤が有効>などと言う記事を目にすると誘惑に駆られますね。セルフセンタリングの調整はこれまでに1度実施しましたが、夜間の直線路で光軸を頼りに2〜3度修正した以外は皆無です。直進性はタイヤの性能に依るところも大きく、思いきって左右を入れ替えてみるのも一考です。修正が規定値を外れて困難であれば根本的に直す方法としてタイヤを新品にしボールジョイントにガタがあれば交換する等も有効です。操舵に重さを感じたらメインアキュムレータの寿命です。交換を怠るとプレッシャーレギュレーターに影響し、最悪レギュレーターの交換と言う大出費になります。





F 制動系 


クラッチと共に遣い手によって大きな差が出るところですがブレーキホースの交換は20年ほどの間に2回実施しましたが平均的な寿命ですね。前輪パッドは5回ほどの交換で寿命は2万km位でしょう。其れと引き換えにディスクローターは未だに無交換で、10万kmを越えやっと交換時期を迎えています。パッドが減り安い分ローターが長持ちと言った所でしょうね。後輪パッドとパーキングブレーキパッドは未交換ですが10万km無交換は当たり前?両者共近々交換予定です。ところで皆様のCXのパーキングブレーキは如何ですか?調整が厄介でしかもマニュアル通りやっても直ぐに狂ってしまう(引き代が大きくなる)のには大弱りです。何方か良い調整法をご存知の方ご指導お願い致します。





G 冷却系 


ラジエター上下ホースの交換が2回、3年目に漏れ発生で修理、エアチャンバー8年目に交換、LLCリザーバータンク及びキャップは15年目に交換、同じく15年目にラジエターの漏れ発生で交換(芝の有名な専門店で見積もった所、ANDYで買うより高額だった為)その折にヒーターホースを含め全ゴムホースを交換。送られてきたラジエターも仕様変更で薄くなり、取り付けには若干の工夫が必要でした。LLCも特別なものではなく極一般的なものを定期交換して使用し、漏れ止め剤等のケミカル用品は混入しません。エンジンブロックやラジエター本体などの細かい通路の詰まり(完全に詰まらないまでも内部に堆積し管径が細り熱交換にも影響する)の方が気懸かりですし、もし漏れた場合には原因の究明と修理が本筋であり、その方が確実で結果として安上がりです。





H 潤滑系 


特別何もしませんがこれと言って問題は発生していません。車両の開発時期に合った指定グレードのオイルやグリスを選んでやれば良いでしょう。交換サイクルも指定通りでエンジンオイルは5000km毎交換、同オイルフィルターも1万km毎に定期的に交換しています。トランスミッション・デフギアオイルも指定のグレード80w90を2万km毎に交換しております。エンジンもミッションもケミカル用品とは一切無用です。カーショップに氾濫し思わず能書きに惹かれて買いそうになる数多のケミカル用品ですが、今日のカメノコ化学は大した物で、添加剤を入れなければ性能が発揮できないような物は皆無ですね。そんなものを買う余裕があったら指定グレードの潤滑油やグリスを買って早めに交換した方が効果的です。





I 空調 


勿論何もしないで20年近く初期の性能を発揮するエアコンなんてありません。其れなりのメンテナンスが必要ですが基本的には無故障です!CXは正確にはエアコンではなくヒーターにクーラーを組み合わせたものですが、これまでに冷媒ガスの漏れも無くコンプレッサーも正常に働いています。コンプレッサーオイルの補充をするでもなくスニソオイルにも無関心!です。良く見るとラテン車にしては?高圧ホースの引き回し方やリキッドタンクの配置や向きが絶妙で無理がありません。しかもエキスパンションバルブに至ってはファイヤーボードのエンジン側にあり清掃や交換作業が安易です。ダッシュボードの取り外しもコンソールとの格闘もエバポの分解も不要です。他のパーツの取り付け方とは雲泥の差、一体どうしたのでしょうね(笑)。あたかも「俺は設計者で直す事はノータッチ」とばかりの設計が多い中、CX七不思議の筆頭でしょうか。脱線はこれくらいにして本題に戻りましょう。性能回復の手立てとしてはヒーターコアとエバポレ−ターの清掃が最も効果的です。R12フロンガスの使用禁止も真近に控え代替フロンを検討されている向きもおありでしょうが、この際センターコンソールと格闘し?冷熱交換器の清掃作業に挑戦しては如何ですか。その際にゴムホースは全交換が安心です。先年ぼくもヒーターコアからのLLC滲み漏れを直すべくヒーターコアとゴムホースの交換に踏み切りました(これも国内で修理するより個人輸入の方が遥かに安かった為)冷暖房の性能回復に大満足した事は言うまでもありません。次の機会にでも写真入でご紹介する予定ですのでお楽しみに。



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