シトロ菌感染記録
−シトロエンノススメ−


その6.夏対策


最近の日本の夏は亜熱帯並で、36〜37度cなんて当たり前?日によっては40度c近いこともありますね。古い欧州車の冷却系はキャパシティーが小さく、メンテナンスが悪いと只でさえ不足気味の熱交換に支障を来し、オーバーヒートの原因ともなります。冷却系が正常なら基本的に問題は無い筈ですが、メンテナンスを怠ると思わぬアクシデントに見舞われ、大きな出費を伴います。

当初の冷却能力を維持する為には定期的な内・外部洗浄やLLCの交換、ゴムホース類やサーモスタットの点検、また冷却ファンとリレーの点検などやることが沢山あります。今回は自分で出来る夏対策です。


(写真:エンジンルーム1、2、3)


@ラジエター

ラジエターの内部を洗浄し熱交換を良くするのですが、巷間謂われるような頻度で(ケミカル製品を用いて)の洗浄は考えものです。密封された水の経路が洗浄の度に空気に触れて、金属の酸化原因となる危惧と、老化したゴムやシールに対し、薬剤による少なからぬリスクを伴うからです。汚れ具合や使用頻度を考えて、自分に適したサイクルでの洗浄・交換が望ましいと思います。前・後面からブラシなどを使いラジエター本体のフィン洗浄が、存外効果を発揮することは注目に値します。この時エアコンのコンデンサーも一緒に洗浄できるので一石二鳥です。また、サブタンク・キャップの点検もお忘れなく、圧力が掛かってはじめて能力発揮です。



Aサーモスタット

冷却水が適温で循環するために不可欠な部品ですが、水温計が正しく作動している限り特別なメンテナンスは要りません。稀に弁の心棒が錆びて開閉の動きを妨げ、故障の原因となることも有りますが(経験しました)、何らかの不具合の兆候が出たら部品を調達し、早めに交換することで対処できます。


(写真:ウオーターポンプ)



B送風ファン

水温に適した風量が確保できていますか?エアコンONでは水温に関係なくファンは低速で回り、適温に達したらそれを維持する為にON/OFFを繰り返しますが、高温になるとファンは高速で回ります。これら一連の動作を司るのがサーモスイッチであり、リレーなどの電気パーツです。動作部分が少なく、電子的・化学的な部品ですので外見からの良否判断が困難です。症状により、どのパーツが不具合なのか根気良く追って行くことが基本です。最も原始的な方法としては、疑わしい部品を外してみるのも一案です。それによって状態が変化するようならその部品は正常ですし、もし変化が見られないなら、詳しく検証することで問題が解決することがあります。送風ファンの不具合は、サーモスイッチやファンモーターの故障、配線の断線かアース不良など多くの原因がありますが、リレーの作動不良が最右翼です。リレーを交換しておくのは予防的治療としてお奨めです。



Cゴムホース

ゴムは熱をはじめ、空気中のイオンや紫外線でも劣化します。ボンネット内の熱と振動に晒されるホース類の点検は不可欠ですね。ラジエターの上下ホースは特に傷み易いもの、弾力の無くなったホースは即交換です。古いホースの取り外しは差し込み部分を切開してしまうのが早道です。ゴムバンドの締め付けすぎには注意しましょう。



D樹脂部品

ラジエターのサブタンクやエアチャンバーなど、樹脂部品が多用されていますがこれらの亀裂や劣化の点検も必要です。ホース類の接続部やキャップの力が加わる根元などが要注意。価格も安価であり、躊躇なく交換することが肝心です。



Eウオーターポンプ

夏に限らず偶にはベルトの張りを点検し、適正に保ちましょう。簡単には壊れない部品ですが、本体が丈夫でもシールが肝。ベルト・プーリの根元からLLCがにじみ出てきたらシールの寿命で交換となります。手順としてはLLCを適量抜き、ベルト・カバーを外し、ベルトを緩めてプーリーを外します。ポンプ本体を止めているネジを外し、ポンプを交換しますが、古いガスケットをスクレーパーなどで綺麗に剥し、新しいガスケットに液体ガスケットを少量塗れば完璧です。部品の入手は英国などへのメールオーダーが便利、2〜3週間で届きます。

(写真:ウオーターポンプ…上図参照)



Fエアコン

エアコンも熱交換が目的で、ラジエターと共通のメンテナンスが多くあります。コンデンサーのフィン洗浄、室内外の送風ファン、電気系のサーモSWやリレーなどラジエターのメンテナンスと同じで、違いは中身(水orガス)です。正常であっても日本においては<容量不足>、これも共通でしょうか?冷媒ガス量とガス漏れの点検(簡単には石鹸水で判断できます)、コンプレッサーとクラッチの良否、エキパンの不具合、が点検の主たるもので案外原始的!ですね。CXのエアコン(クーラー)配管の取り回しは思いのほか無理が無く、ガス漏れの原因となるような屈曲部分は少ないのですが、コネクター部や老化した高圧ホース、コンプレッサーからの僅少な漏れなどで、数年毎の冷媒ガス充填が必要です。

上記をクリアしても冷房能力が不足する場合、その原因の多くは単純で、熱交換が効率良く行われていないことに由来します。外気又は内気を取り込んだエアコン・ユニットは、その空気を冷却或いは加熱する訳ですが、CXのエアコン・ユニットはヒーター・マトリックスの温水循環を止める為の弁がありません。冷房時にはスポンジを張ったフラップがヒーター・マトリックスの入り口を塞ぎ、熱い空気の循環を止めるのですが、老化したスポンジが剥げ落ち、フラップの密閉度が落ちて完全には閉まらないか、フラップ自体の動きが渋くなって正常に作動せず高温の空気が侵入すると冷房能力が極端に落ちます。フラップを閉める為の駆動モーターの不具合やそのギアが欠けていたり、噴出し口切り替え用の手動ワイヤーが外れている事もありますので、要注意です。夏季の冷房時には必要の無い温水が、絶えず室内ユニットの中を循環しているのでこれらの点検は必要不可欠ですね。ガスも有り、漏れも無いのにエアコンの効きが不足すると感じるようなら、一度これら機械的な動作部分を点検してみては如何でしょう。また、CXの外気導入は常時エバポレーターを通過して取り入れる構造上、アルミフィンの汚れによる熱交換の効率低下も無視できません。エアコンはどんな車でも永く使い続けると煤煙や埃、錆びや腐食によって機能が落ちますが、設置場所の関係で簡単には清掃や洗浄が出来ませんので厄介ですね。ここでは簡単な手抜き?メンテナンスをご紹介しましょう。家庭用のエアゾール式<エアコン洗浄スプレー>をダッシュ・センターの噴出し口から噴射するのです。 延長チューブつきでしたら、一層の効果が期待できそうですね。最後にプロの手口!として、ラジエターやエアコン・コンデンサーのボディーとの隙間にスポンジを詰め込み、冷却風が廻りから逃げないように効率向上の手立てをする事もお勧めです。ホイールハウスのゴムカバーを外すなど、エンジンルーム内の熱の逃げ道を作る事も大変効果的です。


(写真:エアコン)



参考までに<シトロエン・サービスマニュアル>より、CXの各種クーリング・システムをご紹介します。我がCXは不思議なことに、正確にはそのどれにも該当しませんでした。ラテン躍如と言ったところでしょうか?

(冷却系統配管 下図1,2,3)
  

(我がCX配管:4)




(冷却系統部品:5)




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